私は教室の本棚に置かれている、大学説明の本を取り出し大学を探した。



同じキャンパス内に、ちゃんとある。



教育学部が。



「さくら。先生が呼んでる」



かいくんに呼ばれるまで、私はひたすら大学説明の本を黙読していた。



「あ、うん。ありがとう。行ってくるね」



教室の扉を閉め、先生が待つ学習室に入る。



あの進路相談の紙を持って。



「……その顔は、もう相談することは無い。あとは親に説得するのと、志望の大学に受かることだ」