「 くっ... 」

「 ぁっ... 」


音もなく迎えた頂上。

そして、

崖から落ちるような急降下。

待って。

待ってよ。

心の中で呼びかける。

底に辿り着いてしまったら、

魔法はとけてしまうのに。

私の気持ちを蔑ろにして、

彼は遠ざかっていった。


「 次、いつ空いてる? 」

「 今週は、水曜日と土曜日が、空いてます 」

「 ふーん。じゃ、このあと彼女くるから。テキトーにさっさと帰って 」


汗だくの私にシャワーを与えることもなく、

彼は面倒臭そうに言った。