桐谷は何か良い案が思い付いたのか、小さく笑って口を開いた。
「我に使えし魔獣…汝姿を現せ…
名をサルワ……召喚‼︎…」
どうやら彼が考えた良い案というのは使い魔との勝負の事だったようだ。
悪い選択じゃないけど、結果は馬鹿だよね。
そんな風に心の内で思っていた優雨。
彼が召喚した彼の使い魔サルワ。
魔法陣が浮かび上がりそこから一体の悪魔が現れた。たぶんソレがサルワだ。
サルワ……悪神の一人でその名は「無秩序」という意味があるらしい。秩序を破壊し地上に無政府状態を作る事を使命としている。
なんか強そう。
さて、僕は誰を出そうかな。
少しの間考え込む優雨。
やっぱり彼かな。
「タナトス…おいで」
僕がそう言うと黒い霧が現れ瞬く間に会場を包んだ。
彼は力が強過ぎるから、姿を見せるだけでコッチ側の世界に影響が起きる。
霧がだんだん濃いくなっていき、僕の近くに渦が生じる。渦は霧を吸い込み色が黒から漆黒へと変わっていく。
そして、霧の中から妖しげな光が鈍く煌る。