なんて思ったのもつかの間、流石に2本じゃ少なかったみたいで、全て相殺できなかった。
残った岩等が僕を狙って飛んできた。
当たったら即あの世行きなのは確定だろう。
そんなの死んでも嫌だから適当に魔法を唱えて問題を解決する。
「Abyss hole (アビス・ホール) 」
直訳で奈落の穴。
簡単に言うとブラックホール。
実際はブラックホールに似た亜空間を創造-ツクリ-出しソレを自在に操る技。
今回は岩が丸々一個入る程度の大きさのアビス・ホールを創造り、当たる直前にソレを前に出した。
僕が思った通りに岩はアビス・ホールに吸い込まれる様に消えていった。
そして、全ての岩が消えると僕は焦りと困惑の入り混じった表情をしている彼にフッ、と笑って見せた。
悔しそうな顔をしてコッチを睨んだ彼を見て密かに笑ったのはここだけの秘密。