だから、屋上には私だけ。 そう、思っていた。 「…………………は?」 フェンスに寄りかかりながら居眠りをしている男の子がいた。 警戒しながらも、その男の子にそっと近づく。 一歩……、二歩……。 肩をつついてみても起きない。相当眠かったんだろうな、この人。 顔も整っていて、かっこいい。無防備な格好をしている。