「そういえば、名前はなんて言うんですか?」
いつの間にか聞きそびれてしまっていた名前。
「あ?俺はトオルだ」
「なんか名前と性格が違いますね」
「あ゛あ?」
「何でもないです」
不良なのかなぁ。怖いんだけど。
「お前は?」
「あ……、私はミユキです」
「ふーん……」
興味なさそうな声。
「あ、順番きましたよ。早く乗りましょっ」
歩くのが遅いトオルさんをグイグイと引っ張りながら歩く。
「……お前のほうが楽しそうじゃねえか」
ボソリとトオルさんが呟いた。しかし、スライダーが楽しみだった私は気付かなかった。