「あの、ありがとうございました」



オドオドしつつ、ペコリと頭を下げる。



「アンタも、顔可愛いんだから気をつけろよ」



これは、怒られてるのだろうか、褒められてるのだろうか?どちらとも受け取れる言い方。



「ったく、なんでひとりでいんだよ」



「あ、えっと……」



まさか、見ず知らずの人に「友達に仲間はずれされた」とも言えないし。



「その……友達とはぐれちゃって」



「迷子か?」



「う……」



迷子、なのだろうか。



「そういう風にオドオドしてるから逸れるんだよ。ほら、探しに行くぞ」



「えっ?いや、申し訳ないですっ」



「お前の気持ちなんて知るか。さっさと探すぞ」



グイグイと腕を引っ張ってくる。けど、痛くないように力を加減してくれている。


やっぱり、優しい人なのかなぁ。