落ち着きのある、真っ直ぐな声。
「俺のツレに、なんか用ですか?」
言葉が発されると同時に、腕をグイッと引っ張られる。どんな人か気になり、ちらりと盗み見をする。
うわ、イケメン……。
切れ長の2重、鼻、唇、輪郭、全て文句の言いようがないぐらい整っている。
「あぁん?」
「ニイチャンはあっちに行ってな、しっしっ」
馬鹿にしたような口調で、私の恩人(まだそうと決まった訳では無い)を挑発する2人。
「あ、の……いくら何でも言い過ぎじゃ「テメェら」
さっきまでの真っ直ぐな声とは打って変わって、ドスの効いた声。