それなら私も教えたい。

あなたはこの世界に必要な人。
これからもずっと、必要な人。


「私の命、半分あげるから……」

「つぐ……」


お願い。私と一緒に生きて。
一緒に、笑って。

濡れた体を温めあうようにしばらくそのまま抱き合っていると、朝陽が「あっ……」と声を上げた。
体を離し、彼の視線をたどると……。


「すごい……」


まだ残る雲の切れ間から、太陽の光が降り注いでいる。


「きれいだな」

「うん」


朝陽に同調するように頷いたけれど、一瞬不安になる。

まるで神様が下りてきたようなその光景は、たしかに美しかったけれど、朝陽が連れていかれるのではないかと思うと、鼓動が激しくなり止まらない。


「俺、あらがってみる」

「朝陽……」

「このまま終わってたまるか」