「朝陽。二度目の人生は、一度目とは違うでしょ? これから楽しいことがたくさん待ってるんだよ」


彼のところまで歩み寄り、制服のジャケットを握って、訴える。

お願い。ずっとそばにいて。
絶対に死んだりしないって、宣言して。

そして、憎しみの連鎖を止めて。

どうしてだろう。
泣きたくないのに勝手に涙が溢れてきて止まらない。


「つぐ……。俺……」


彼の瞳が揺れる。
なにかを考えているかのような彼は、ギュッと唇を噛みしめて黙り込んでしまった。


「朝陽と過ごす楽しい時間が、私に力をくれた。朝陽がいなければ、ずっと泣いていたと思う。だって、絶望しかなかったんだもの」


あの日、偶然彼に神社で出会ったのは、神様が私にチャンスをくれたのかもしれない。
もう一度、立ち上がるチャンスを。