「朝陽は合格するの。絶対にするの」


合格不合格なんて、本当はどうでもいい。
受験することなく命を絶たれた一度目とは違う。必ず受験の日を迎えるの。


「そうだな。頑張るよ」


彼はそう口にしたけれど、なぜだか目を逸らした。


「今日はありがとな。最高の誕生日だったよ。それじゃあ」


彼の笑顔が引きつっている気がして、なぜだか心臓がドクンと跳ねる。

最後の誕生日にする気じゃないよね……。


離れていく彼の後姿を見送っていると、胸が痛くてたまらない。


「朝陽!」


気がつくと大きな声で彼の名を叫んでいた。


「どうした?」


すぐに振り返った彼が再び私の方に歩いてきたから、私は意を決して口を開いた。


「推薦……決まったの?」