波留との1度目の出会いは中学3年生のとき



「定期、落ちてましたよ?」



波留が駅で落とした定期を俺が拾って届けてあげたのがきっかけだった。



「ありがとうございます!どこで落としたのかな…って探してたところだったんです」



波留は何度も頭を下げて俺にお礼を言っていた。



「波留って名前…あなたによく似合ってます」



別れ際に彼女にそう言ったら嬉しそうに微笑んだのを昨日のように思い出す。