クリップを一つ一つ外し、ページを直してチェックする。

顔を上げれば見えるブラインド。
その向こうはきっと真っ暗。
想像する私の心を暗くした。
しばらく一人オフィスで没頭していたが、どうもページが足りない?

気がする……。

「どうしよう」

私の勘違いかもしれないし。
白坂先輩がいないと確認が取れない。
設計部の報告書、最後のページ。
言葉が不自然に切れていて、もしかすると続きがあるような……。

「……ないような?」

「何かないのか?」
「えっ?」

不意に話しかけられビクリと肩を震わす。

「みっ、宮内部長!まだ残ってたんですか?」
「工場から戻ってこれなくて。いやー、昼も抜きだったし腹減ったぁ」
「えぇっ、何も食べてないんですか!?お、お疲れ様です……」
「田代は一人でどうしたんだ?」
「あ、報告書の直しを」
「白坂は?」
「えっと……、その。あっ!部長にお聞きしたいことが」
「ん?」
「この設計部の報告書なんですけど。最後のページはこれで良いんでしょうか……?」

部長は私が仮留めした報告書を眺め首を傾げた。

「いや、あと二枚あるはず。ないのか?」
「探しますっ!すみません、ありがとうございました」
「……俺出し忘れたのかな。手伝うよ」
「そんな、宮内部長が忘れるわけないです。私の仕事ですから」
「でも……」
「大丈夫です!」

大変だっ!