「結局、もう9時半だ・・・。」

俺はガラにもなくケーキの箱をかかえ、ひとり早歩きで家に向かっていた。


そんなことしても、あまり時差は変わらないだろう。

だけど、少しでも早く美玖に会いたい。


というか、あんなにも「早く帰ってきてね?」と言われていたのにもかかわらず、仕事を切り上げてからもう2時間も経ってしまっていた。


理由?

そんなもん、ひとつに決まってんだろ。


美玖のいとこ、涼ちゃんに捉まっていたからだ・・・。