毎年夏休みになると、県外にあるおばあちゃんのところに行くのが我が姉弟の習わし。 おばあちゃんは、周りを緑に囲まれた、青い瓦屋根の家屋に住んでいる。 集落であるその町の名前は赤山町。 バスは午前と午後に一回だけ、山を降りて30分歩いたところに通っている。 「春子ちゃーん!宗太郎ー!」 電車を降りたすぐのところ、毎年白い軽トラックで迎えに来てくれる近所の豪太君。 今年も夏休みがやってきた。