「最近、遥とはどう?」












見たくないキスマークが目の前をちらついて、勝手に俺の口が動いたのはそんな言葉だった。













「…そうですねぇ……。やっぱり面倒くさいですかね……?」












「ははっ、でも…、遥も紅葉のことが好きなんだと思うよ?」












「えっ、先輩!そんな気持ち悪い事言わないでくださいよ!!思われても嬉しくないです!!」













ずっとこうして、





笑ってられる日が続けばいいんだ……。













その為なら、キスマークを知らないふりをしてこうして話題を出すことくらい易いもの。
















「じゃあ、先輩いつも送ってくれてありがとうございます!」













「ううん。いいよ、また明日ね」















家の中に入っていく彼女の背中を見て、








俺は再び来た道を帰る。


















ーーーーー









丁度あと少して家だと言う近くのコンビニに差し掛かった時見覚えのある姿が……。














「遥!!!!」












そう大声で呼んだ時、後悔した。








隣には、遥の彼女がいたから。














「……遥、ここでいいよ。」












「愛理…?今日、やっぱり変だよ……?」













俺に手を挙げた遥、




その遥と目を合わせない彼女。














「…ちょっと頭が痛いだけだから、大丈夫だよ」













そっか。じゃあ、また明日ね。と、別れの言葉を口にした遥の背中を見つめる彼女さん。










俺の近くを遥が通りかかった時、肩にポン。と置かれた手に対して小さく「また明日な」と返した。