「あ~み〜っ!!」

ギュッ!
この香りは美菜か

「何あの走り!めちゃくちゃ速いじゃん!足こんな傷だらけなのに。」

「だってー、転ばされたせいで負けるとか本当に悔しいじゃん!だから、本気で走ったよ!」

無我夢中だった。
なんの音も聞こえなかった。

自分でもあんなに必死になったの久しぶりだ。

「速すぎっ!でも、流石だわ。
あなたがそんなに負けず嫌いだったとは……」

私も初めて知ったよ

自分がこんなにも負けず嫌いなこと


「あ!先輩始まるよ!見てあげなきゃ。」

あ、すっかり忘れてた。
先輩のことまで忘れるくらい必死だったのか

本当に驚きだ。


自分の応援席に戻って応援することにした。