でも、

「佐伯さん。聞いてた?」

隣のイケメン君が案の定聞いていた。

あっちはちゃんと聞いていたからどこを向いてたかまでは分かんないんだろうけど

聞いていなさそうだってことは分かったんだろう。


「聞いてたよ?ーーーーーー。」

先生が話した話を要点をまとめながら話し始めるこいつ。

視線はこっちバリバリ向いてたくせに
めちゃくちゃ聞いてたんだな。

少し感心した。


「え、偉いね。」

そこで、俺は帰った。


が、

「げっ、忘れ物した。」

もう一回戻ろうとした時

どんーーーー。

誰かとぶつかってしまった。