「ほんと、不思議な子だね。」

「バカなだけだろ。」

「うわーー、可哀想。」

隣でシクシク泣いているふりをしている渉をおいて
教室へ向かった


「お、おい。ちょっと待てよ。」

なんとなく、渉とあいつの雰囲気が似ているような気がする。

こういう無口な俺といたってつまんないだろうに
毎日話しかけてくるところとか?


こいつは、1年生誰とも喋らなかったせいで
ずっと一人だった俺に
話しかけてきたやつ。


かれこれ、3年間同じクラスということで
今では唯一無二の親友だ