「今まで遊んでくれて
ありがとうございました。
楽しかったです。
では、お疲れさまでした。」


『ちょ、薫ちゃん待って』


男の声を無視して
ダッシュで走り
タクシー捕まえ乗り込む。
1人暮らしのマンションの場所を告げ、
タクシーの中で
外をぼんやり眺めながら
考える。


《やっぱり好きだった》

楽しかったことを思い出し
涙ぐんできた。



『お客さん、この辺ですか?』

運転手さんの声で
ふと我に返り

「その角右で・・・・
 あっ、ここでいいです。」



運転手さんに
料金を言い渡され
財布を手にとり中を見る。