「桃子さん、お説教はこのくらいにしてあげてくださいよ。」


向き合って正座する私と杏の斜めに同じく正座をし、話に入ってきた。



「はぁ…。ってゆーか、桜木恭輔! アンタもずうずうしいわよ!
親が留守の家に上がり込むなんてっ!」


ぺちん、と桜木恭輔の膝を叩く。


「あ、まぁ…その…」


ポリポリと頭を掻く桜木くんに理由を聞くと、
仕事から帰ってきた桜木くんと、ゴミ出しをして戻ってきた杏が
またもエレベーターで一緒になり、ゲームの話で盛り上がり
今の状況というワケだ。


「はぁ…。もう…。
杏、桜木くんと仲良くなるのはいいけど、
家にあげるなら今度からは必ず私に電話してよね。
わかった?」


「わかった。そうする。ごめんなさい、かぁさん」


「ごめんなさい」


杏と桜木くんは、私に向かって頭を下げた。


すると…



「ぐぅぅぅぅーーー」



え……


「プププッ」


「はははっ」


「やべっ オレ、朝からなんも食ってなかった」


あまりにも大きな音だったため、杏にお説教していたことも忘れるくらい3人で大笑いだった。