視界の端に、桜の花びらがチラつく。


ああ、もう、散っている。


この前見た時には、まだ蕾だったのに。


咲いたそばから、散るなんて。


桜の命は、なんて短いんだろう。


────千春、こっちへおいで


僕の名を呼ぶあの命も、儚かった。


今でも、忘れられない、その人は。


────アイシテルわ、永遠に、あなただけを


僕の頭の中に、ずっと居座っている。


あの日から。ずっと。