僕が小さくそう言うと、そいつ、
朝日奈 悠は、嬉しそうに目を細めた。


「じゃあな!」


そうして大きく手を振り上げ、
左右にこれまた大きく振る。


「また明日な!ちぃ」


((いやそれさっきも言ってただろ。))


何度も何度も振り返りながら、
朝日奈 悠は走り去っていった。


変なやつ。


動物に例えたら、確実に犬だと思う。


心なしか、耳とか、しっぽとか、あったような気もするし。


いや、ないけど。