「おはよう」 次の日の朝、お母さんは珍しく私を起こしに来た。 「また目玉焼き?」 「いいじゃない。作ってあるだけ感謝しなさい」 「はあい」 お父さんはいつものようにコーヒーを飲みながら新聞を読んでいる。 〈行方不明の高校生、無事救出〉 「お、よかったよかった。見つかったんだなこの子。夏海と同い年の男の子だから心配してたんだよな」 ...あれ、私何か忘れてる気がする。