「おじさん、射的一回ずつお願い」 「はいよ」 「あれ、どーした?夏海顔怖いぞ?」 「え、あ、ああ。ごめんごめん」 陸が打った射的の音が脳裏に焼きつくみたいにずっと鳴り止まない。 「ねえ陸...」 「ん?」 「好き」パァン____ 「え?何?なんて言った?」 ちょうど花火の音で陸に今一番伝えたかったことがかき消された。 「ううん、なんでもない」 わかってるよ。 この恋が上手くいかないことぐらい。