車を走らせること15分、閑静な住宅街の一軒家の前で停まった。


車から降りて、涼一の後ろから家の中に入ると、涼一と七海の母、涼華―リョウカ―さんが出迎えてくれた。


『いらっしゃい、陽菜ちゃん』


「お世話になります、涼華さん」


『ごめんね、陽菜ちゃん来るのわかってるのに、七海ったら…』


「いえ、大丈夫です」


『陽菜ちゃん、行くぞ』


涼一に連れられて、2階の涼一の部屋に行くと、照彦と充が待っていた。


『陽菜ちゃん、久しぶり』


『おう、陽菜ちゃん』


「久しぶりです」


挨拶をすると同時に、目眩がして倒れ掛けた陽菜を、照彦が受け止めた。


『陽菜ちゃん、どうした?』


「…ごめん、ありがとう」