しばらく照彦の膝の上で横になっていると、ICUがバタバタと騒がしくなり、呼ばれて行くと治療のかいもなく、おじちゃんは息を引き取った。


それから、記憶がなく気がつくと葬儀は終わっていた。


陽菜は脱け殻の様に、仏壇の前に座ったまま、何も話さず動かず、声も出さず涙を流したままでいた。


『…陽菜、泣きたいだけ泣いたら良い…でも、陽菜はひとりじゃない。俺がずっといる』



「…てっちゃん…ありがとう」


『…無理すんな』


照彦は陽菜を引き寄せ抱きしめた。