♡.
「あ、あそこの蛍光灯切れてるわね。
誰か、替え持ってきて!」
と、委員長。(ちなみに委員長も弦楽部)
あ、ホントだ。
私の座ってる席のちょっと前にある蛍光灯切れてる!
一生懸命読者様に説明してたら気付かなかった。
「あ、僕たち持ってきます」
と言ったのは4年生(うちの学校は中高一貫校だから普通の高校生1年生に当たる!)の先輩2人。
私よりずっと前の席にいるから、
よく顔は見えないんだけどね。
天井にある蛍光灯を替えるには、
1人が机に上ってやるしかない。
先輩たちが蛍光灯を替えてるのをぼーっと私は見ていた。
あ、
机に上っている方の先輩の白いワイシャツからのぞくのどぼとけが−−
あまりにも−−
素敵だったから−−
同じ学年の男子にはまだ感じられない、
セクシーさ。
くりっとした大きな瞳−−
長めの黒髪−−
優しく響く低い声−−
しゃべったこともない先輩を
好きになるなんて。
私のことなんてただのガキとしか
思ってないだろうけど。
好きになっちゃうのかな。
好きになんてなっちゃだめだよ。
先輩なんて。ひとめぼれなんて。