手を繋いで歩く二人の後ろ姿はまだぎこちなく、二人の間にまだ拳2つ分の距離がある。


「もっと、近づいてくれていいんだよ。」

「はい///」


ズズっと近づいたものの、まだその距離、拳1つ分。


「もっと、もっと、近くに来ても良いだよ。」

「はい///けど、これ以上近づいちゃったら、私、死んじゃいます///」

「けど、この距離じゃ、紗愛ちゃんにキスすることすら出来ない。」

「えっ?」


そう言われて顔を上げた紗愛の唇にそっと触れる陽助の唇。

真っ赤になった紗愛にさらに追い打ちをかける様に陽助が囁く。


「これくらいで真っ赤になってたら、この先進めないよ。」


「////////」


夕日よりも真っ赤になった紗愛の頬に優しくキスを落とした陽助。

ただただ目を見開く事しか出来ない紗愛。


2人の狂おしいまでの関係はまだこれから始まったばかり。