一太の横を肩を並べて歩く。

一太がこんなにも大きかったか?としみじみ感じた。

しかし、藤堂さんならもっと見上げるんだろう。

自らより随分と背の高い藤堂さんのその横顔を眺めるだけでも良かった。

けど、もう藤堂商店に行く勇気さえ持ち合わせていない。


「紗愛、ちょっと座ろう。」


一太に声を掛けられ、小さい時によく二人で遊んだ川辺に来ている事に気付く。

一太と並んで腰を掛ければ、秋の冷たい風が顔を掠める。