(揶揄われたっ!大人な藤堂さんにとっては他愛のない事かも知れない。けど、私にとっては・・・・)


角を曲がった所で、後ろから声を掛けられた。


「紗愛っ!!」


振り返ればそこには一太が息を切らせて立っていた。


「ごめん、一太。先帰る。」

「何かあったのか?」


一太の問いに答えられず、そのまま踵を翻し走り出した。