「ほんとに、一太とはそんな関係じゃないんです・・・」

「じゃ、どうして一緒に来たの?」


核心を突かれる。

答えられず俯いてれば、視界の端に映る、綺麗な指先。

えっ?

藤堂さんと1メートルはあったはずの距離が縮められている。

驚いて顔を上げれば、そこには前髪を掻き上げた綺麗な藤堂さんの顔があった。



これまでに早なる鼓動を今まで聞いた事があるだろうかと言う程に心臓が煩い。

このままでは、もはや早鐘を打ち続ける心臓も止まるのではないかと思い、大きく後ろへ仰け反る。