「なぁ……」


まるで、甘ったるいチョコレートの中に落ちたみたいな感覚。

このままじゃ、まずいと、頭の中で警鐘が鳴った私は、耐えられず叫んだ。


「な、なら!!我妻君はどうなのよ!!」


わ、私にばっかり迫るのはフェアじゃない!!

私だって、我妻君の気持ちを知る権利があると思うんだけど!


「あ?俺?」

「そ、そーだよ!まずは、自分から言うべきだと思うけど!」


我妻君は、面倒臭そうな顔をして、すぐに私を真っ直ぐに見つめた。

その瞳の中に、私の姿を見つけられるほどに近い。


「いるよ、好きな女」

「えっ………」


ードキンッ


まるで、私が好きだと言われてるような、傲慢な考えが頭を過る。


「で、でもっ……我妻君、女に興味ないって…」

言ってませんでしたっけ!?

私が、男の人が好きなのかって疑ったくらいなのに。