「そういえば、清人とまりあ様、遅かったな?」

「飯島先輩だけ戻ってきてましたし!」


猿君と愛梨さんが、痛いところを突いてきた。


「そ、それはっ………」


あぁ、どうしよう……。

雷が怖くて動けなかったとか、情けないなぁ…。

皆に、なんて説明すれば……。




「俺が、飯島探して走ってた時にポッケからスマホ落としたんだよ。それ、まりあサマにも一緒に探してもらってたら遅くなっちまった」

「え……?」


我妻君、そうじゃないのに…。

私が、我妻君に追いつけなくて、雷を怖がって動けなかっただけなのに…。


「はわわ!あの暗闇で探すなんて、骨が折れますね!」  

「よく見つかったな!?」


愛梨さんと猿君の声が、遠くに聞こえる。

頭の中は、我妻君の事でいっぱいだった。