「い、いやっ!!」

「っ!?」


その手を振り払おうとして、顔を上げると、そこには息を切らして、私を見つめる我妻君がいた。 


「まりあ、お前っ……」

「あっ……」


我妻君……だ。

我妻君は、私の顔を驚いたように見つめている。
 
我妻君の顔を見た瞬間、ホッとして涙が頬を伝った。


ーゴロゴロッ


「やっ、我妻君っ!!」

「ま、まりあ!?」


ーガバッ

雷の音が聞こえ、私は我妻君に飛びついてしまう。

そんな私を、我妻君は驚きながらも抱き止めてくれた。


「お前、まさか雷が………怖いのか?」

「っ……」


私は、我妻君にしがみつきながら、コクンッと何度も頷く。


そんな私を、我妻君は強くギュッと抱き締めてくれた。

それが、「もう大丈夫」と言ってくれているようで、安心する。


「ううっ……ふっ……」

「まりあ、大丈夫だから、もう泣くな……」


トントンッと背中を優しく叩いてくれる。

だけど、優しくされるとさらに泣きたくなるのは、なんだだろう…。