「ううっ……ふっ、うっ……」


泣きべそをかきながら、私は昔の事を思い出す。

雷が嫌いになったのは、いつだったか。

確か、小学3年生の時、剣道の稽古が嫌だった私は、台風の日に家を飛び出した。


雨足が強くなって、強く吹き付ける風に飛ばされそうになって、公園のトンネルのような遊具に逃げ込んだ。


そこで膝を抱えて、1人震えている時にそれはきた。 


ーゴロゴロ、ドガーンッ!!


もうそれは、世界が終わるかと思うほどの衝撃。

私の目の前にある、木に落ちたのだ、雷が。

それからというもの、私は雷が苦手だった。


「い、いやぁ……こ、怖いっ……」

「おい!!」


震えている肩に、ポンッと誰かの手が触れる。

その瞬間ー…。