「あっ、我妻君がいない!?」


あっちゃー、我妻君足早すぎだよー!

置いてかれちゃったみたいだ。


真っ暗で、明かりといえば病院内に設置された小さな明かりだけ。

ほの暗い廊下を、私はため息をつきながら歩いた。


我妻君の事だし、きっと飯島君に追いついてるはず。

だから、きっと大丈夫だ。


「にしても……いくら平気だって言っても気味悪いよ」


私は苦笑いを浮かべながら、1人お化け屋敷の中を歩く。

そして丁度、中庭のような場所にたどり着いた。


「すごい、空もセットになってるんだ…」

窓から見える、紫色の気味悪い空。

わー、本格的すぎて、すごい。

というか、なんでこんなに静かなの……。


ーゴロゴロ、ドガーンッ!!

そんな事を考えていると、私のもっとも苦手なモノが、作り物の空から落ちてきた。


「い、いやぁぁぁぁーーっ!!」


私は悲鳴を上げて、両耳を塞ぎ、その場にしゃがみ込む。

ガタガタと体が震えて、涙が滲む。

よりにもよって、1人の時にっ!!

ど、どうして雷が落ちてくるのぉぉーっ!!