「……2人とも、どうして黙ってるんです、何か…」
「おい、バカ!目開けんな!!」
私と我妻君は話さないようとしたあまり、無言になってしまい、それを不思議に思った飯島君が目を開けてしまった。
「痛いヨォ、タスケテェ……」
しかも、そのタイミングでお化けがそれはもう青白い顔で呟くものたから、最悪だ。
「い、いやぁぁぁぁぁっ!!」
まるで、女の子のような悲鳴をあげ、あろうことか、飯島君は一人で先に走って行ってしまう。
「え、嘘っ!!」
一人で行ったら、絶対怖いよ!?
なんで、後先考えず走って行っちゃうかな!?
「おお、追いかけるぞ!!」
「う、うんっ!!」
わぁと我妻君は、慌てて飯島君を追いかける為に走り出す。
ーカランカランッ
「あっ……!」
そして、走りだそうとした時、ポシェットから、リップが落ちてしまい、立ち止まった。
いけない、ポシェット開いてたんだ。
いつからだろ、全然気づかなかった。
そんな事を考えながら、顔を上げると、シンッと静まり返っている。