「んだよ飯島ー、まだ不満が……」

「大有りだ!!そっちが3人の意味がわからない!!我妻君はこちらにくれ!!」


おお……。

飯島君、興奮して、堅苦しい話し方になってる。

確か、体育の時間に、イジメっ子に説教してた時も、こんなしゃべり方になってたような…。


「おー、俺飯島に愛されてるなー」

「我妻先輩、酷いくらい棒読みですねぇ」

「感情が消え失せてるな…」


棒読みの我妻君に、愛梨さんは不思議そうに、猿君は苦笑いを浮かべていた。


「しかたねぇから、俺はコイツらのお守りするわ」

「えっ、どうして私!?」


ここは、飯島君のお守りでは!?

私、我妻君にお守りされる意味わからな…。


「お前は気づいたら誘拐されるだろーが」

「ゆ、誘拐………」


わぁー、否定出来ない。

ファンに追いかけられたり、ナンパされたり、結局我妻君に助けられなきゃ、自分でなんとか出来なかった。


うん、ここは我妻君についていこう、そうしよう。


「お世話になります、我妻君」

「世話しますよ、まりあサマ」


「フッ」と不敵に笑う我妻君に、ドキッとする。

わぁっ……バカにされてるって分かってるのに、そんな我妻君の表情に、ドキドキしてしまう自分が憎い。