「俺なんか、怖くて死にそうだ……。まりあ様、俺と一緒に入ってくれますか!?」


「えっ、なんで私??」


突然飯島君に懇願され、私は目を見開く。

私、我妻君と入りたいのにー!!

なんて、口が裂けても絶対言えないけど。


「だって、強いじゃないですかぁぁっ!!」

「あ、そういう事ね……」


私、飯島君の代わりに戦ったんだった。

その時のことを飯島君は言ってるんだと思う。

私に、幽霊と戦えと……ここで我妻君を頼らないあたりが、乙女としては悲しいかな。


か弱いって、言ってみたい。

うん、切実に……。


「ん、わかりました。まぁ、怖がらない人が傍にいた方が、安心だよね」


どうせ、我妻君も私より飯島君の方がか弱いって思ってるだろうし。

また、「ミスパーフェクトのまりあサマに守ってもらえー」とか言うに違いない。


と思って我妻君を見ると、なぜか不機嫌そうな顔をしていた。


そして、パチッと目が合うと、フイッと視線を反らされる。


あれ、今何が起きましたでしょうか??

ほんの数秒の間に、我妻君が不機嫌になるような事、したっけ!?


頭の中でグルグル考えてみたけど、答えは見つからなかった。


そうこうしているうちに、絶叫迷宮までたどり着いてしまう。