「あいつら、漫才やってんのか…」

「ふふっ、本当にね」


その背中を見送りながら、我妻君と笑う。

そして、飯島君の座るベンチに一緒に腰かける。


「6月なのに、晴れて良かったねぇー」


梅雨入りしたって、つい数日前にニュースで見たのを思い出す。

神様は親切だな、なんて思う。


「俺、ダメダメだなぁ……」

「え……?」


急にそう言った飯島君に、私は視線を向ける。

すると、飯島君は俯いていた。


「飯島、今度は何に落ち込んでんだ?」

「俺、友達になろうって無理矢理遊園地までついてきたのに、迷惑かけちゃって……」


あ……。

なんとなく、気持ちが分かる。

友達ってどうやったらなれるんだろうって、私も悩んでた。

どうすれば、必要としてくれるのかなって。