「えっ、飯島君??」

「今度は、飯島の心まで開いちゃったんじゃねーの?」


あわわっと慌てている私に、我妻君は笑う。

今度はってなんだろう??

私は不思議に思いながらも、飯島君の涙と鼻水と汗をハンカチで拭いていく。


「はぁぁ~、なんとか落ち着いてきたみたいです」

「愛梨、お水買ってきましょうか!?」


ぐったりとする飯島君に、愛梨さんが挙手する。


「そうだな!じゃあ、俺ついていくわ」

「でわでわ、猿先輩のお供をつけて、桃太郎、いって参ります!」


ついていくと行った猿君に、敬礼する愛梨さん。

私はつい吹き出してしまった。


「おい、誰がただの猿だ!!愛梨お前先輩つけても敬ってる気がしねーぞ!」

「お猿さんがいじめるぅぅ~っ!!」


愛梨さんの頭を両手の拳でゴリゴリとする猿君。

2人は、すごく仲良しに見えた。


「2人とも、仲良くね」

「はぁーい♪超特急で戻って来ますね!」

「うぃーすっ!って、コラ先行くなや!」

私が笑うと、2人はコントのような言い合いをしながらも、楽しそうに水を買いに行った。