振り返ると、我妻君に担がれている飯島君がいた。
「飯島………お前、マジでダメだったんだな」
「おえっぷ……」
吐きそうになっている飯島君に慌てて駆け寄る。
「うそ、飯島君大丈夫??」
「うぅ……スミマセン、まりあ様…」
背中をさすりながら、近くのベンチに座らせる。
私はポシェットの中からハンカチを取りだし、額の吹き出る冷や汗を拭いてあげた。
「なっ、俺なんかの為にそこまでしなくてもっ!!」
「なんで?私の大事な友達の為だもん、心配させてよ」
私にとって、友達と呼べる人は、ここにいる4人くらいだ。
それがすごく嬉しくて、大事にしたいって思ってるんだけどな…。
汗を拭く私を、飯島君は驚いたように目を見張ったのが分かった。
「と、友達……う、嬉しい。まりあ様が、こんな地味で気持ち悪い俺なんかとっ……うううっ」
そして、ついに泣き出す飯島君に、私は慌てる。
あれ、どうして飯島君泣いてるの!?