ーガツンッ

そして、斜面を前に一度止まる。

これも、演出なんだろうけど……飯島君、死んじゃうだろうなぁ…。


「おい、飯島?」


すると、背後で我妻君の心配そうな声が聞こえた。


あれ、飯島君に何かあったんじゃ……。


ーフワリ

突然の浮遊感。

何があったのか聞こうとした瞬間、体が一気に落下していったのだ。


「きゃーっ♪」

「気持ちいいーっ!」


隣の愛梨さんと一緒に、私はすぐさまバンザイをして状況を楽しむ。


そのせいで、飯島君の事を、すっかり忘れてしまっていた。

そして、ジェットコースターが乗り場に到着する。


「やー、楽しかったですね!」

「うん、本当だねっ」


愛梨さんと顔を見合わせて笑っていると、なにやら静かすぎる事に気づいた。