「命綱があるだけマシよ」

「き、基準値が高すぎでしょーっ!?」


私の一言に飯島君はすかさずツッコム。

死ぬ事はないし、そんなに怖いものかな??


「なんでお前は『生か死』なんだよ」

「生きていればなんとかなるものなの!」


呆れ顔の我妻君に笑いかけて、私は飯島くんの手をズルズルと乗り場の方へ引きずっていく。



「ま、まりあ様離してくれぇぇぇっ!!」

「ズルい!!まりあ様は愛梨と乗るんですぅ!」


両手に飯島君と愛梨さんを連れて、私はなんだか楽しくて笑っていた。


それはもう、スキップして走り回りたいくらいに。


「良かったな、まりあサマ」

だから気づかなかった。

我妻君が、温かい目で私を見ていた事に。


「まさかお前、まりあ様の事好きなのか??」

「さーな」

「はぁ!?さーなって、気になるじゃんかよー!!」


前を歩いていた私が振り返ると、我妻君と猿くんが何やら話しているのが見えた。