「あの、何か用ですか?」
「いや、これから一緒に遊園地回らない?」
え、なぜ初対面のこの人たちと!?
気まずくないのかな……。
「なんか、1人みたいだしさ!」
「しかも、めっちゃ美人だよねぇ」
あぁ……。
これは、ナンパだ。
実は、人並みにこの経験はあるから、このなんとも言えない身の危険はなんとなく分かる。
「いえ、待ち合わ……」
断ろうとして口を開いた瞬間ー…。
ーグイッ
後ろから腕を引かれ、後ろに倒れると、誰かの胸にトンッとぶつかった。
「俺の連れです、他あたってくれませんか」
「っ!!」
この声っ……!!
もしかして、もしかしなくても……。
振り返ると、不機嫌そうに私を後ろから抱き寄せる我妻君がいた。