「みんなで行く、というのはどうでしょう」


まるで名案を思い付いたかのように人差し指を立てる飯島君に、愛梨さんはむくれる。


「こーれーはー!愛梨とまりあ様のランデブーなのです!部外者は……」

「お!?これ、1枚で2人行けるみてーだから、飯島がチケット買えばいいんじゃね?」


猿君は、愛梨さんから遊園地のチケットを取り上げる。

「返して下さいぃぃ~っ!!」

「な、な、なんで俺だけ実費なんだよー!!」


チケットを取り返そうとする愛梨さんに、抗議する飯島君。

うん、なんだか……。


「騒がしいわね」

「騒がしいな」


私と我妻君は見事にシンクロする。

そして、顔を見合わせると、プッとお互い吹き出した。