それは、教科書にも載っていることだから、ここにいるヤツらは莉沙の名前を知っていることを驚かない。

「「ナツキさん?
その蒼空に絡ませている腕をどけてくれるかしら?」」

ナツキとはこの厚化粧の女のことだろう。

セフィが俺の左隣に、アルバが俺の右隣に来てくれた。

それにしても、セフィとアルバ、ナイス!

「あ、ご、ごめん...」

ナツキという女はセフィとアルバの迫力に圧倒されている。

それもそうだろう。

セフィとアルバは莉沙と美羽よりとびきり美人だから。

『いいよ、気にしてないから。』

「ありがとう♡」

いちいち甘ったるい声で言わなくてもいいのに。


蓮「じゃあ、始めるぞ。
今から部屋割りを決める。何か意見があるヤツいないか?」

「はい。」

優等生っぽい丸眼鏡の男子が手を挙げた。

蓮「そこの眼鏡くん。」

眼鏡「はい。」

眼鏡くんと言われることに慣れているのか、蓮がそう呼んでも驚いていない。

眼鏡「個人の部屋は無しにして、全ての部屋を誰でもくつろげる部屋にしたら良いと思います!」

え!?

俺、個人の部屋がいい。

蓮「眼鏡くんの意見について意見があるもの。」

俺は手を挙げた。

蓮「じゃあ、蒼空。」

『リラックスできて静かな個人の部屋が欲しい。』

蓮「眼鏡くん。蒼空の意見についてどう?」

眼鏡「ここには70人いるので個人の部屋を作るのは不公平だと思う。」

『あ、確かに。』

眼鏡「え!?
気づいてなかったの!?」

『じゃあ、一室くらいは静かな場所が欲しい。』

蓮「よし、それをどうするのかということから決めていくか。」

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