「高橋専務と神城社長を比べることなんて出来ません。」


「そないなこと聞いてへん。蓮と俺、どっちの傍でおりたいんか?きいてるんねん。」




だんだん神城社長の語尾がキツくなっていくのが感じ取れる。


今まで背中を向けててその表情は窺い知れなかったが、刹那、社長が振り返った。



その瞳には悲しみと淋しさが滲んでいるように見えて、いつもの社長を忘れてしまう。