「どうしたんっスか?京香さん。アナタがそんなに取り乱すだなんて。」


高橋専務にそう言われ、その安堵する声に私の中の緊張の糸は一気に切れ堰を切ったように泣き出してしまった。


高橋専務には何でも話せる。今までの事を全部話してしまった。


「そうっスか・・・・・・、京香さん、そんなに好きなら当たってみてはどうっスか?」

「けど、大勢の中の一人にはなりたくないんです。でも、私なんか神城社長の目にも止まらない・・・」



ふう、と息を吐き、高橋専務は立ち上がった。
そして肩に手を置いて、


「明日、アタシと社長と打ち合わせっスよね。そこに同席してください、京香さんも。」



そう優しく頭を撫でてくれた。